職人の手仕事を知る >  財布ができるまで

皆さんが毎日手にする財布。
どうやって財布が作られているのか気になりませんか?

実は、皆さんが使っている財布は、数十個もの部品から出来ているのです。
革の裁断や革漉き、組み立てや縫製まで全ての工程が手作業で行われます。
部品が多い分、「革や生地を何重にも貼り合わせ組立てる→乾燥→縫製」という工程の繰り返しに思えますが、その工程には熟練の職人技が詰め込まれています。
職人による、緻密で丁寧な手仕事の数々をご紹介します。

財布ができるまでの工程

【部品】財布は小さいのに30~50個もの部品から出来ています。革と裏地、芯材を貼り合わせた組み立て前のパーツでも14部品もあります。

【革き】革や裏地が何重にも重なり合う構造のため、部品の重なり具合にあわせて革を薄くする必要があります。これを革漉きと呼び、革漉き職人の精巧な技術を要します。①~③は全て厚みが異なり、①の部分は0.4ミリ程の薄さです。

【ベロ組み立て】財布を留める部品となるため、曲げながら革を貼り合わせていきます。先端部分はヘラを使いながら革を寄せます。この作業をキザミと呼びます。縫製時もソリを意識しながら縫い上げます。

【引手組み立て】引き手もヘラで革を寄せながらきれいにキザミを入れていきます。とても小さな部品なので、縫製時は1針ずつ慎重にミシンを進めます。

【内装組み立て】ノリ付け→貼り合わせ→乾燥→縫製を繰り返し、内装を組立てます。しっかり接着するために熱したコテで押さえながらへりを返していきます。

【内装の縫製】均等の幅に折り目をつけた蛇腹マチをノリ付けします。ノリが乾いたら縫製です。ミシン目には表裏があり、左右でミシン目が揃うよう向きにも気をつけます。

【外装組み立て】外装部品をノリ付けし、組立てます。一直線の縫製でも、革の厚みが異なるとミシン目のピッチが不均等になりやすいので注意しながらミシンを踏みます。

【ネン引き】ノリの接着をよくするために、ネンと呼ばれる熱コテで返した部分を押さえます。まっすぐ一直線に引かれた押し痕は飾りにもなります。

【本体組み立て】内装と外装をノリ付けをしながら組立てていきます。内装の僅かなズレが出来栄えを左右するため、丁寧に貼り付けます。

【仕上げミシン】仕上げの縫製は、カード段等重なり合い厚みの違う部分が多く、ミシン目のピッチが不均等になりやすいので、ミシン目を確認しながら縫製を仕上げていきます。

【ホック打ち】ベロを留めるホックを打ち込みます。専用の打ち具を使い分け、金槌で叩いてホックを固定します。

【完成】小さな数十個の部品が重なりあい、丁寧な組み立てと縫製を経て完成します。革漉き職人と、縫製職人の技が繊細な財布を生み出します。

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